2005.08.25 Thursday
台風の知識2
台風に伴う風の特性は巨大な空気の渦巻きになっており,地上付近では上から見て反時計回りに強い風が吹き込んでいます。そのため,進行方向に向かって右の半円では,台風自身の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向に吹くため風が強くなります。逆に左の半円では台風自身の風が逆になるので,右の半円に比べると風速がいくぶん小さくなります。上図は過去の台風の地上での風速分布を右半円と左半円に分けて示した図です。進行方向に向かって右の半円の方が風が強いことが分かります。 上図で分かるように,中心(気圧の最も低い所)のごく近傍は「眼」と呼ばれ,比較的風の弱い領域になっています。しかし、その周辺は最も風の強い領域となっています。 台風に伴う雨の特性は,暴風とともに大雨を伴います。台風は積乱雲が集まったもので,雨を広い範囲に長時間にわたって降らせます。 台風は,垂直に発達した積乱雲が眼の周りを壁のように取り巻いており,そこでは猛烈な暴風雨となっています。この眼の壁のすぐ外は濃密な積乱雲が占めており,激しい雨が連続的に降っています。さらに外側の200〜600kmのところには帯状の降雨帯があり,連続的に激しいにわか雨が降ったり,ときには竜巻が発生することもあります。これらの降雨帯は上の図のように台風の周りに渦を巻くように存在しています。 |